シーリングの劣化について

シール劣化

外装リフォームにおいて、メインは外壁や屋根の塗装だと思われがちですが

それと同等に重要なのがシーリング工事です。

シーリング又はコーキングとも呼ばれています。

厳密に言えばシーリングは詰めて防水をする意味。コーキングは隙間を埋めるという意味。

ですが、一般的にはどちらを使っても同じ意味合いです。

 

シーリングは建物の外部だけではなく、内部にもいたるところに

使われている大事なポイントです。

外部だと、外壁材(サイディング)の繋ぎ目や窓サッシ廻り

内部だと、浴室の浴槽と壁の隙間や台所のキッチンと壁の隙間

その他あらゆる所に使われています。

 

 

では実際にシーリング工事というのは建物においてどのような役目が

あるのでしょうか?

①構造物・建物の防水性や気密性を保つ役割

②構造物・部材どうしが地震や振動によって揺れてぶつかり合って
破損したりするのを防ぐ緩衝材、クッション的な役割

 

上記の2つがシーリング材の大きな役目です。

 

建物の種類では木造サイディング・ALC・RC造において重要な役割をしています。

木造モルタルは唯一シーリングが使われている箇所が少ないです。

 

ではまずは木造サイディング造のシーリングの劣化について

ご説明していきます。

 

シーリング材は紫外線や天候などの影響により経年劣化をおこします。

材質的には輪ゴム等と同じように、劣化すると硬化して白くなっってきたり

痩せて細くなってきます。

シール硬化

シール硬化


さらに劣化するとヒビが入ったり、破断、乖離してきたりします。

シール劣化

シール乖離

 

 

 

 

 


さらに劣化すると、剥落して無くなってしまいます。

下記の写真は、シールが劣化して無くなってその下のハットジョイナー(青色)が

見えてしまっている状態です。

シール剥落シール剥落


こうのような状態で大丈夫なんでしょうか?

建物のつくりとして、シーリング材が上記などのように劣化したからといって

すぐに漏水とはなりません。

なぜなら、サイディング材の下に防水紙があるからです。

ではこのままでもいいのでしょうか?

そういうわけにはいきません。

シーリング材が劣化してひび割れたり、乖離したり、無くなってしまえば

当然雨水は絶えず浸透しています。室内まで漏水しないだけです。

継続的に雨水が浸透していることによって、サイディング材自体が濡れて膨張、

そして乾燥して収縮を大きく繰り返します。その為サーディング材が反り出したり

欠損などを発生させたりします。

 

また内部への雨水の浸透により、水分量・湿気が多くなり中の木材、ボード等の

黒カビの発生を増殖したり、腐食していく可能性が高くなります。

こうなると、ボードの交換や木部の交換、補強など修理の費用が大きく嵩んでしまいます。

 

また、場所によっても漏水可能性の高い低いがあります。

サイディング材の継ぎ目よりも窓サッシ廻りなどの開口部廻りは漏水の可能性の

高い箇所です。出窓仕様の箇所はさらに高くなります。

窓廻りシール出窓シール

 

 

 


その他、下記の部位は室内への漏水にはすぐにつながりませんが

構造物自体の腐食などの劣化をおこしてしまいます。

幕板天シール破風シール

 

 


破風クラック破風劣化
場合いよっては、つながりのある他の部材の劣化も促してしまいます。

幕板劣化

 

 

 

 

 


その他、シーリング材が黒ずんだ状態の劣化があります。

ブリード現象と呼ばれるものです。

ブリード現象

ブリード汚れ